シングルモルト嘉之助
ジャパニーズウイスキーをさらに豊かに、まろやかに
嘉之助蒸溜所は、日本本土最南端・鹿児島県の日置市にあり、日本三大砂丘の一つである吹上浜の海岸沿いに建ちます。
母体となった「小正醸造」は、1883年の創業以来、鹿児島県日置市で日本独自の蒸留酒である本格焼酎を造り続けてきました。
小正 嘉之助
小正嘉之助は、日本で初めて樽貯蔵された焼酎 “メローコヅル” を世に生み出した人物です。
当時、安価な飲み物とされていた焼酎を「世界中で愛されているウイスキーのように価値を高めたい・・・」
1957年に発売した樽貯蔵焼酎“メローコヅル” の研究開発には、嘉之助のそんな熱い思いが込められていました。
その嘉之助を祖父に持つ小正醸造の四代目・小正芳嗣は、焼酎の研究や商品開発に従事する傍ら“メローコヅル”をはじめとした焼酎をもっと世界へ広めるべく、海外に赴き宣伝・販売にも力を注いできました。
その中で『メローコヅルの味わいは評価するが、日本独自の蒸留酒である「焼酎」は消費者に伝わりにくい』と商談を断られたことを機に、「世界共通の蒸留酒 “ウイスキー” に挑戦し認められれば、自社のバックボーンである焼酎にも世界中から興味を持ってもらえる」との考え方に至ります。
その後はウイスキーのノウハウを習得するため、若手技術者とともにスコットランドへ蒸溜所視察や研修に赴くことで、独特の製法・製造設備の構想を固めていきました。
また、嘉之助が焼酎を世界に広めるべく生み出した“メローコヅル” の貯蔵熟成が行われていたゆかりある土地に、祖父の名を冠して「嘉之助蒸溜所」を建設しました。
2017年「嘉之助蒸溜所」稼働開始。
嘉之助蒸溜所の大きな特徴は、3基のポットスチルを備えること。
ネックの形状やラインアーム角度の異なるポットスチルを使用することで、香りや味わいが多彩な原酒造りが可能となります。
また南国でありながら寒暖差のある気候下で貯蔵熟成された原酒は熟成が早く、とてもまろやかで深い味わいのウイスキーに仕上がります。
海からの風、緑の山々、自然の恵みを存分に受け、日々仕込みや貯蔵が行われています。
そして2023年1月、
嘉之助蒸溜所の定番商品となる「シングルモルト嘉之助」を、ようやく皆様にお届けできることになりました。
「シングルモルト嘉之助」は、“メローコヅル”の製造で培われた小正醸造伝統の「蒸留酒造り」と「樽貯蔵」の技術を生かし、“嘉之助蒸溜所らしさを感じられるメローなウイスキー” をコンセプトに造られました。
ノンピート麦芽を使用し、アメリカンホワイトオークのリチャーカスクで熟成した原酒をキーに、複数の樽をヴァッティング。ノンチルフィルターで48%まで加水し、ボトリングしました。
シングルモルト嘉之助のこだわり
ウイスキー本来の風味を楽しんでいただくために「シングルモルト嘉之助」は冷却濾過を一切おこなっていません。
そのため香味成分の浮遊物が見られる場合がございますが品質上は全く問題ございません。
浮遊物がある場合は軽く振っていただくと香味成分がウイスキーに溶け込みます。
こだわりの香味をお楽しみください。
麦芽:ノンピート麦芽、ピート麦芽
酵母:ディスティラリー酵母
ポットスチル(銅製蒸留器):三宅製作所製 初留釜6,000L、再留釜3,000L、1,600L
貯蔵樽:アメリカンホワイトオークのリチャーカスクをキーに複数樽ヴァッティング
■TASTING NOTE
COLOR(色):べっこう飴
NOSE(香り):はちみつ、バナナ、レモンティー、キャラメル
TASTE(含み):かりん飴、ニッキ、生姜、仄かにスモークナッツ
FINISH(余韻):上品な甘苦さが穏やかに長く続く
※日本洋酒酒造組合の定めるジャパニーズウイスキーの表示基準に合致した製品です。
ラベルは、嘉之助蒸溜所のBARから臨む東シナ海に沈む夕日と水平線をモチーフにデザインされています。
嘉之助は生前、友人への手紙にこのように記していました。
「日本一夕日が美しく映える景観の地、これにマッチするようデッサンから長い長い時間をかけて絵を仕上げるように工場を建設したいと楽しみにしております。」
嘉之助の夢は志半ばで途絶えてしまいましたが、「メローコヅルを世界へ」という挑戦は時を経て「シングルモルト嘉之助」というウイスキーに姿を変えました。
私たちは小正嘉之助の熱い思いを胸に、これからも皆様に喜んでいただけるジャパニーズウイスキーを造り続けます。
“MELLOW BARへようこそ”
まるで嘉之助蒸溜所のBARにいるようなメローさを感じていただける
「シングルモルト嘉之助」
どうぞ ごゆっくりお楽しみください