
PRODUCT STORY
シトラス弾ける、クラフトウイスキー×クラフトビールの協演
<数量限定・スモールバッチ> 嘉之助シングルモルト IPA CASK FINISH
嘉之助シングルモルト IPA CASK FINISH 開発の舞台裏
嘉之助蒸溜所 ブレンダーチーム チーフ 神野僚太
2026年4月1日、満を持して発売となるのが、<数量限定>嘉之助蒸溜所SHOP/オンラインショップ限定、スモールバッチの「嘉之助シングルモルト IPA CASK FINISH」。
フラッグシップ「シングルモルト嘉之助」を軸に、IPA樽フィニッシュ由来のシトラスの爽快感と、ホップ由来のほろ苦さがほのかに香る、KANOSUKEらしいメローな個性がさらに広がる一本です。
開発の中心を担ったのは、嘉之助蒸溜所 ブレンダーチーム チーフ・神野僚太。
デビュー作「嘉之助シングルモルト SHERRY CASKS VATTED」に続く挑戦として、IPA樽の可能性をどう読み解き、どんな「メローウイスキー」へと着地させたのか。開発の背景と設計思想を聞きました。

Q1. そもそも「IPA樽」とは何ですか?ウイスキー初心者の方にも分かるように、ワイン樽やシェリー樽との違い、そしてIPA樽ならではの「前段階(準備)」を教えてください。
神野:
ワイン樽やシェリー樽は、商社さんなどを通じて購入・調達ができ、商品計画も立てやすい樽です。一方でIPA樽は、クラフトブルワリーさんの協力がないと“樽そのものを作れない”。ここが大きく違います。
具体的には、もともとKANOSUKEの原酒を貯蔵していた樽(主に焼酎リチャー樽)を、志を共にできるクラフトブルワリーさんにお預けします。ブルワリーさんはその樽で、爽快感や華やかさなどホップのフレーバーがリッチなダブルIPA/インペリアルIPAなどを一定期間寝かせ、バレルエイジドビールとして商品化する。
その後、ビールを抜いた樽がKANOSUKEに戻ってきたら、今度は各ブルワリーさんの“IPAビールの特長的な香味をまとった樽”でウイスキーを後熟(フィニッシュ)させる。大枠はこの流れです。
Q2. つまり、IPA樽は「仕入れる」のではなく「共同で作る」もの、という理解で良いですか?
神野:
はい。その通りです。
そもそもは、あるクラフトブルワリーさんから「KANOSUKEの樽でバレルエイジドビールを作りたい」という希望をいただいたことが起点でした。そこから蒸溜所限定第一弾として「蒸溜所限定ボトル#001」が生まれ、皆様からの評価も高かった。製造メンバーとしても、IPA樽のポテンシャルを強く感じました。
そして今回の製品化は、マスターブレンダー小正の「継続的に作っていきたい」という強いこだわりが大きな推進力です。商品として安定的に皆さんに愉しんでいただくためには、樽の取り扱い・熟成期間・香味設計など、相互理解がないと成立しない。だからこそ「志を共にしてくれるブルワリー」と取り組む必要があり、私たちの気合も必要な商品だと思っています。
Q3. 今回の狙いは「クラフトウイスキーとクラフトビールの協演、シトラス弾ける味わい」です。神野さんにとっての「シトラス弾ける」とは?
また、IPA樽由来の強い個性とKANOSUKEらしさをどう両立させたのでしょうか。
神野:
“シトラス弾ける”は、柑橘の皮のような立ち上がりや、青さ、きめ細かい苦味が輪郭として現れるイメージです。設計で一番意識したのは、IPA樽に期待するホップ由来の苦味などのキャラクターを“主役にしすぎない”こと。あくまでKANOSUKEのメローを中心に置く。その上で、IPA樽で後熟した原酒同士の組み立ての中で完結させる、という考え方です。
Q4. アロマの見どころはどこですか?
神野:
キーワードは「シトラス」と「ほろ苦さ」です。そこに「甘み」も加わります。
KANOSUKEらしいメローな甘さや柑橘系の香りに、ホップ様の苦味。さらに、ビールのモルトからくる“ウイスキーとは異なる麦の甘み”や爽やかさが重なります。
IPA樽由来の爽やかな柑橘の立ち上がりと、焼酎リチャー樽原酒がもたらすレモンティーのような上品な柑橘ニュアンスとが相乗し、より輪郭が出てきます。
また、ホップ由来の苦味は、焼酎リチャー樽由来のスパイシーさとも相性が良い。KANOSUKEの甘さ(焼酎リチャー樽/バーボン由来)と、IPA樽の爽快感が調和していくところが狙いどころです。この甘みと苦みの調和から、トロピカルなニュアンスを感じ取っていただける方もいると思います。
Q5. 私もクラフトビールが好きで日常的に飲みます。クラフトビール好きの方がこの一本と出会ったら、どうお勧めしますか?
神野:
入口としてはハイボールが良いと思っています。
IPAカスクフィニッシュはハイボールにすると軽快で飲みやすく、爽快感が出やすい設計です。
ストレートで少し加水して変化を見たり、ロックで“シトラス系の爽やかさ”を楽しむのもおすすめです。暑くなるタイミングに、その日の疲れを爽やかにリセットしてくれるような、エナジーチャージの一本になってくれたら嬉しいですね。
Q6. 最後に、相性の良い料理を挙げるとしたら?フードペアリングのおすすめを教えてください。
神野:
ビールと合うものは、やはり相性が良いと思います。なぜか「魚」のイメージも強いですね。
例えば、ビールを使うと衣がサクサクになるとも言われるスコットランドでも人気の「フィッシュ&チップス」。スモークの効いた「スモークサーモンとクリームチーズ」のような冷菜も合うと思います。
あとはエスニック系。スパイスの効いたタコスや、パクチーなどハーブを利かせたガパオライスのような料理とも、きれいに重なるのではないでしょうか。
IPAの香り立ちとほろ苦さを、KANOSUKEの“メロー”の上で美しく整える。クラフトビールとジャパニーズウイスキー、ふたつのカルチャーを自然に往復できる一本になりそうです。発売を心待ちにしていたファンの皆さまにとっても、新しい扉を開く体験になるはずです。
(インタビュー・文:マーケティング部 PR/Communication 丹沢恭子)
プロフィール:
嘉之助蒸溜所 ブレンダーチーム チーフ 神野僚太
1988年鹿児島県生まれ。鹿児島大学農学部卒業後、2011年に小正醸造へ入社。 焼酎の品質管理・ブレンド業務を経て、2017年の嘉之助蒸溜所立ち上げより製造・生産管理に従事。 2023年10月よりブレンダーに就任し、現在は生産管理とブレンド業務を統括している。 最近は、スコットランドでの研修の機会を得ており、その学びを日々の製造やブレンドに活かすべく、さらなる探求を続けている。
